日本人工関節学会が人工膝関節の臨床,研究成果を集大成した「人工膝関節置換術(南江堂、2023年2月発行)」に、医療法人葦の会 石井義則理事長の寄稿文が掲載されました。
「6章 手術の目標 ―臨床成績とバイオメカニクスから 4.軟部組織バランス/関節安定性 B.前後方向の安定性」
「9章 TKAの手術手技と臨床成績 4.CS-TKA」
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■ 本書の意義 |
人工膝関節の歴史から,解剖,バイオメカニクス,手術手技,術後成績,難症例への対処,合併症対策まで日本人工関節学会が「日本の人工関節研究の集大成を作り上げる」という思いを込めて企画したものです。 序章で松田秀一先生(日本人工関節学会理事長)より、「執筆はわが国の人工関節の臨床・研究を牽引してこられた先生方にお願いいたしました。」「世界へ向けて研究成果を発表してこられた第一人者の先生方に執筆を依頼させていただきました」とあるように、これまでの石井義則先生の研究成果や、国内外での人工膝関節における貢献を高く評価していただいての執筆依頼となりました。
第6章では、膝屈曲角度に影響する前後安定性について、人工関節のデザインコンセプトを理解することの重要性を静的・動的安定性から明らかにしている。また屈曲可動域と前後安定性について、先行研究が一貫しないことに「軟部組織緊張」が関わっていることを明らかにし、術者が目指すべき目標移動量を提示している。
第9章では、LCS-TKAの特徴と操作手技のポイントを解説している。さらに、LCS手術が除痛効果のみでなく、骨密度と体幹動揺性の改善にも有効であったことを明らかにし、「身体機能への波及効果の検証」の重要性を述べ、広く研究されていくべき可能性について言及している。 |
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日本人工関節学会編集「人工膝関節置換術」南江堂 https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524233748/ |