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主な手の疾患についてご紹介いたします。
当院の佐藤潤香医師は、「手の外科」を専門としております。心当たりの症状がございましたら是非一度診察をご検討下さい。
下記の文章は、佐藤医師執筆によるものです。

 佐藤医師の紹介

母指CM関節症

            母指CM関節症
CM関節とは母指の付け根の下の方にある関節の名前です。ここの関節の軟骨が長年かけて摩耗、消失してきて耐久性が悪くなり痛みを生じるようになります。主に痛みを誘発するのはふたを開ける、洗濯バサミや爪切りなどのような強いつまみを必要とする動作です。

親指をグルグル回してみると他の指と違って動く範囲が広いことがお分かりになると思います。CM関節はもともと親指がいろんな方向に動けるように関節が浅くつくられています。ということは脱臼しやすいのではと思うかもしれませんが周囲に強靭な靭帯が張っているため普通簡単に脱臼することはありません。この靭帯機能が徐々に劣化して関節がグラグラ動くようになり軟骨が減ってくるのでは?と考えられています。病態がすすんだ患者さんでは関節が亜脱臼しさらに骨が出てくるようになります。


原則として軟骨が再生することはありませんので、それでは一生治らないのか?というとそんなことはありません。レントゲンではCM関節症でもなんの症状もない方も沢山おられます。しかし一度痛みが生じると炎症がおさまって痛みがなくなってくるのには時間がかかります。ふだん手を沢山使わざるを得ない場合は炎症がなかなかおさまらないため、基本的に付き合っていく病気ということになります。


 治療法は大きく保存療法と手術療法に別けられます。保存療法は以下のようなものがあります。@シップ、塗り薬 一時的な痛み止めとして簡単に使えます。A局所ステロイド注射 よほど痛みが強いときは短期的な鎮痛目的で使用されます。


装具療法
B装具療法(上の写真)亜脱臼した骨を押さえて関節のぐらつきを抑制します。長時間装着しないと意味がないため患者さんを選ぶ治療法といえますが、日常的に装着できるようなら試してよい治療法と思います。

 手術療法は大きく@関節固定術A動きを残す手術に別れます。手術を希望される患者さんは多くありませんが、やはり趣味や仕事で器具、工具を多く使う方がお困りになって相談される事が多いようです

           

今までAの手術をする場合は関節が安定するように周囲の腱や靱帯を犠牲にする必要があったのですが、最近新しい手術が開発されました。母指と人差し指の間を強い糸で橋渡しすることで関節を安定化する事が可能になりました。つらい痛みが続いていて何とか痛みから解放されたいという方はご相談ください。



マレット指(槌指)

     マレット指
指を伸ばしている時、不意に指が曲がるような力が加わり(たとえば指先にボールが当たるなど)気がつくと第一関節が伸びない..これがマレット指です。


「マレット」とは「木槌」の事です。この疾患の病態は@腱が付着している骨が剥離骨折してしまった、もしくはA第一関節を伸ばす腱が切れてしまった、のいずれかの状態です。@を骨性マレット、Aを腱性マレットといって区別します。



     腱性マレット

骨性マレットの場合、治療は比較的容易です。というのは骨折部が癒合すればかなりの回復が期待できるからです。骨折のずれが小さければそのままギプス固定をすれば癒合するのですが、ずれが大きければ手術が必要となります。針金やスクリューで骨折部を固定しますが、何を使うかは骨折の仕方によりますのでお任せいただく事になります。ギプス、手術いずれにしても4〜5週間の固定がおおよその目安でその後、指の第一関節を動かし始めます。再骨折予防のため不意に指を曲げる事(スポーツ、力仕事等)は3カ月くらい避ける必要があります。


腱性マレットの場合は骨性に比べて治療が難しく、非常に悩ましい疾患といえます。断裂する部分の腱は非常に薄く膜のようになっているため一度切れると回復が悪いのです。切れた腱は手術で縫えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、実際のところ縫った場合、縫わない場合で結果が違ったというエビデンス(証拠)はありません。はっきり言ってしまえば手術のメリットは切れた腱をきちんと縫合したという“安心感”といえましょう。装具やギプスで固定する方法もありますし、それが煩わしければ針金で第一関節を固定しておく方法もあります。この疾患では患者さんの希望をよく聞いて治療方針を決めるようにしています。最終的にある程度指の伸展が悪くなる事が多いので、後遺症を減らすために長めのギプス固定が必要となります。6週間の固定がおおよその目安です。その後の注意は骨性と同様です

へバーデン結節 (手指変形性関節症)

   へバーデン結節

ヘバーデン結節という病気について紹介させていただきます。なんだか小難しい名前がついていますが、指の第一関節(DIP関節といいます)の経年変形です。といっても誰もがなる訳ではありませんし、長年指を酷使してきたとかこなかったとかもあまり関係ありません。遺伝性があるようでいわゆる体質ですのでどう仕様もないのですが、中年期以降になると徐々に発症してきます。症状としては手を使い始めると痛みを感じ特に夕方に強くなります。進行すると人差し指〜小指の第一関節がゴツゴツと膨らんでくるので、変な病気ではないかと心配になって受診される方が多いです。レントゲンで見ると関節軟骨部分が消失して骨の突起が出ています。


この病気は関節リウマチとは異なります(リウマチでは指の第一関節は侵されません)。残念ながら元通りのきれいな関節にはもどりませんが、予後は良好で高年期以降はほとんど痛みがなくなります。湿布や塗り薬などでの対応で十分です。日常生活に大きな支障を来すことはまずありません。

     嚢腫

ただし合併症として関節からゼリーがたまった腫瘤がとび出てくる事があり (粘液嚢腫といいます) 注意が必要です。皮膚が薄くなり破けてしまうことがあるのですが、ばい菌が入って感染する危険があります。この場合は時期をみて手術的に切除することもあります。



手指PIP関節(第二関節)のスポーツ外傷

     PIP関節スポーツ障害

バスケットボールやバレーボールなどの球技で最も怪我しやすいところといえば指の第二関節(PIP関節といいます)です。指先にボールが当たって(いわゆる突き指で)痛くて動かせない、腫れてきたという時、まずはレントゲンで骨を確認するわけですが、指の中央の骨が剥離骨折している事が多いです。


この怪我、正式には中節骨剥離骨折といいます。患者さんはとにかく日常茶飯事で非常に多い、毎日のようにこのレントゲンを見ます。骨折というと本人も親御さんもびっくりするようですが心配はご無用です。特に手術も長期のギプス固定も必要ありません。2週間程度、となりの指とテーピング固定していただければ十分です(痛みが強い場合は短期間ギプス固定をすることもあります)。成長期の子供の場合は特に回復が早くこれくらいの期間でスポーツ復帰できるようになります。


     PIP靭帯損傷

ただし、注目して診察する箇所がもう一つあります。PIP関節の靭帯が切れていないかどうかという事です。PIP関節が動く方向は動かして貰えればわかりますように曲げると伸ばすの1方向だけです。横や斜めには動きませんし、動かないように関節周囲にしっかりと靭帯が張っています。突き指をするとこの靭帯が運悪く切れてしまう事があります。レントゲンで骨折がなくても症状としてはこちらの方が重篤です。少し関節にストレスを加えるとあらぬ方向に関節がぐにゃりと曲がってしまいます。そのまま無理に使い続けると関節の不安定性が残る場合がありますのできちんと治療する必要があります。早期に手術をするか長期間ギプスをするかご本人と相談ということになります。手術の場合、靭帯が骨から剥がれることが多いので骨の中に糸がついた特殊なスクリューを埋め込んで、ここに切れた靭帯を引き寄せます。現在まで当院で行った手術結果は良好で関節の硬さが残ることもほぼありません。



手指の変形性関節症

     手指変形性関節症

最近、指の関節の変形で来院される方が多くなった気がします。背景にはマスコミ等による啓蒙活動があると思われますが、学会等でもこれまで進歩が停滞していたこの分野に動きが出てきました。第一関節の変形をヘバーデン結節、第二関節の変形をブシャール結節といいます。


いままでは念の為リウマチ検査をして陰性であれば湿布等でのテーピングをするくらいでした。同疾患についての情報を新旧併せて要約すると以下の通りです。女性ホルモン(エストロゲン)は手指の関節や腱を良い状態に保つ役割がある→女性ホルモンの急激な低下によって進行しやすい。→大豆食品に含まれるイソフラボンが腸内で代謝されてできるエクオールが女性ホルモンを補う役割をする。→ただし腸内でエクオールを作れない体質の人がいる。家族性が強く母親が発症していれば娘も発症する確率が非常に高い…という事です。


まだ変形が進んでない段階で大豆食品をとる、または直接エクオール(残念ながら保険適応外)を摂取することが予防につながるかもしれません。



手の腱鞘炎

みなさん、腱鞘炎(けんしょうえん)という病名は聞いたことがあるのではないでしょうか?指や手首を動かす動力源はもちろん筋肉ですが、この力を伝えるロープのようなものが腱です。指を伸ばして手の甲を眺めてみて下さい。細長い紐みたいなものが見えますね。表面からは見えませんが、手のひら側にも走っています。腱は関節近くの骨にくっついて、関節を曲げたり伸ばしたりします。このロープが浮き出ないように滑車の役割をする組織が腱鞘です。代表的な腱鞘炎を二つ紹介します。
@ばね指

     

手のひら側の指の付け根が痛い!指を曲げる腱の腱鞘炎です。特に朝方指が曲がったまま伸ばせなくなる。伸ばそうとすると急に抵抗が取れてピン!とばねみたいに指が伸びます。ひどくなると日中もこの症状が出てきます。指の使い過ぎが原因ですが、患者さんの中には特に覚えがない方も多いようです。妊娠前後期やメタボリック症候群、糖尿病の方は腱の周りが腫れやすくなるので特に注意が必要です。発症して日が浅ければ腱鞘内にステロイドの注射をすると治る可能性があります。ずっと我慢していると指がまっすぐ伸びなくなってきます。こうなると手術の適応です。腱鞘を切開すれば確実に症状はなくなります。外来手術で10分程度です。手術は嫌!でも何度もステロイドを注射すると腱が傷んでしまいますから2〜3回にしておくべきです。なり始めの頃はお風呂に入った時などにゆっくり指を伸ばすストレッチをしてみて下さい。

@ケルバン腱鞘炎

     

親指側の手首の外側にも腱鞘があり、こちらの腱鞘炎です。親指を動かす腱が通っています。釣りの時遠くに釣り糸を投げるような手首の動作をすると、「ギャッ!」痛みが出ます。ひどい場合は腫れが出ます。ずっと我慢していると腱鞘が肥厚して固い結節が皮膚から触れるようになります。治療はばね指とほぼ一緒ですが、軽いうちは夜間等にシーネで手首を固定すると効果があります。なかなか治らない場合、やはり患者さんの希望により手術します。



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