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ばね指

ばね指   




指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握ったりする強い力を発揮する筋肉は前腕にありその力を腱が伝えます。その通り道で指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれるものです。丁度、その構造はベルトとベルト通しの関係に似ています。



この靱帯性腱鞘は指の部分にありますが、それが終わる指の付け根付近に力がかかり炎症を生じやすいところがあります。
その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じばね現象が起こります。これを“ばね指”と呼んでいます。







Q1.注射が効果的と聞きましたが注射で完治しますか、内服や自然治癒(リハビリ等も含め)は難しいものなのでしょうか?


(佐藤)残念ながらばね指を完治させる内服薬はありません。経過観察のみで自然治癒する事はありますので痛みなどの症状が切羽詰まっていなければ指のストレッチや安静を心掛けて様子をみても良いと思います。症状が強くて困っておられるようであれば即効性がある治療、つまりステロイド注射や手術をお勧めします。ステロイド注射で完治する(一年以内に追加治療を要さない)確率は50%くらいです。









Q2.注射は何度までできますか、回数を重ねるたびに効果は下がっていきますか?


 (佐藤)ステロイドは腱を傷める副作用があるため当院では三回までとさせていただいております。最近の論文では二回目の注射でも一回目と同様の効果が得られると報告されており特に効果が落ちるという事はないと思います。再発した方のデータをまとめたところ一度の注射で平均五か月効果が持続しました。再発が早い方で三か月くらいです。

 

 







Q3.手術はどのようなものになりますか?


 (佐藤)ひっかかりの原因となっている靭帯性腱鞘を切離します。局所麻酔の簡単な外来手術で所要時間は五分〜十分程度です。









Q4.手術をしてもまた再発することはありますか?


(佐藤)基本的にありません。ごく稀に別の部位の腱鞘でばね指に似た病状を発症する方はいます。なお再発とは違いますが術前に指の第二関節が曲がって痛くなっている(PIP関節拘縮)場合があり、この症状は術後も残りますので注意が必要です。









Q5.手術後は濡らせなくなりますか、またどのくらいの期間で手術前と同じように指が使えるようになりますか?


 (佐藤)当院では手術後四〜五日で一度手術の創部を確認してから濡らしてもらうようにしています。創を直接濡らしたり汚したりしなければ手術日から普段通り指を使ってもらえます

 







 

Q6.腱鞘炎や、ばね指にならないような対策は何かありますか?


 (佐藤)確実な対策はないのですが違和感やはばったさを自覚したら強い握力を要するような作業を避け指から手首をのばすストレッチをするようにしてください。腱の緊張を減じる事を目的としておりお風呂でやると特に効果的だと思います。










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