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マレット指(槌指)

     マレット指
(佐藤)指を伸ばしている時、不意に指が曲がるような力が加わり(たとえば指先にボールが当たるなど)気がつくと第一関節が伸びない..これがマレット指です。


「マレット」とは「木槌」の事です。この疾患の病態は@腱が付着している骨が剥離骨折してしまった、もしくはA第一関節を伸ばす腱が切れてしまった、のいずれかの状態です。@を骨性マレット、Aを腱性マレットといって区別します。


     腱性マレット

骨性マレットの場合、治療は比較的容易です。というのは骨折部が癒合すればかなりの回復が期待できるからです。骨折のずれが小さければそのままギプス固定をすれば癒合するのですが、ずれが大きければ手術が必要となります。針金やスクリューで骨折部を固定しますが、何を使うかは骨折の仕方によりますのでお任せいただく事になります。ギプス、手術いずれにしても4〜5週間の固定がおおよその目安でその後、指の第一関節を動かし始めます。再骨折予防のため不意に指を曲げる事(スポーツ、力仕事等)は3カ月くらい避ける必要があります。


腱性マレットの場合は骨性に比べて治療が難しく、非常に悩ましい疾患といえます。断裂する部分の腱は非常に薄く膜のようになっているため一度切れると回復が悪いのです。切れた腱は手術で縫えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、実際のところ縫った場合、縫わない場合で結果が違ったというエビデンス(証拠)はありません。はっきり言ってしまえば手術のメリットは切れた腱をきちんと縫合したという“安心感”といえましょう。装具やギプスで固定する方法もありますし、それが煩わしければ針金で第一関節を固定しておく方法もあります。この疾患では患者さんの希望をよく聞いて治療方針を決めるようにしています。最終的にある程度指の伸展が悪くなる事が多いので、後遺症を減らすために長めのギプス固定が必要となります。6週間の固定がおおよその目安です。その後の注意は骨性と同様です


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