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変形性膝関節症

   





変形性膝関節症の症状としては初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。男女比は14で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。主な症状は膝の痛みと水がたまることです。







   








Q1. 変形性膝関節症になりやすい人の特徴はありますか?


(石井) 現在あるコンセンサスは、肥満の中高年女性がリスクファクターとなっています。








Q2. 膝に水が溜まったら抜いた方が良いですか?(癖になるのか心配…)


(石井) “水=水腫”があることで、関節内圧が上がります。結果、膝を曲げにくい、膝関節痛があるといった愁訴がある場合には、穿刺をした方が良いでしょう。あくまでも日常生活動作に制限を感じた場合です。よく“水を抜くと癖になる”という方が居られますが、冷静に考えればそんなことはありません。あくまでも“水腫を繰り返す”原因があります。その原因に対してしっかりアプローチすることが大切です。

 








Q3. 気温や季節の変化は症状と関係はありますか?


(石井)こういった外的要因は、膝関節痛増悪の一つの因子になることは間違いないです。お腹を冷やすと“腹痛”が起こるのと一緒です。

 









Q4. 市販のサプリメント(グルコサミンやコンドロイチン等)の効果は期待できますか?


(石井) 何を期待して服用するか?です。軟骨再生を期待して飲むのであれば、医学的には意味がありません。軟骨には血管が存在せずにその成分は軟骨そのものに辿り着けません。CMでのコメントでは、いかにも効きそうですが、百歩譲れば、そのサプリメントに含まれる鎮痛効果が影響している可能性があります。日本の厚生労働省はコロナ治療薬(ワクチンも含め)同様、医学的にその根拠が明らかになれば、薬価収載してくれる筈です。本疾患に対する高額な再生医療も同様です。その効果に科学的な裏付けがないので、自分で(自費で)余裕のある方は試して下さい、ということだと、私は解釈しています。

 









Q5. 注射による治療で「ヒアルロン酸」を打つようですが、その効果と、何回打てば良いのか気になります。


(石井)軟骨への栄養補給(刷り込み効果)と僅かな鎮痛効果を期待しております。まず、5回を目安にその効果を判定するというのが基本使用法です。加えて、昨年5月からヒアルロン酸に鎮痛薬を結合させた新薬が使用可能になりました。当院でもヒアルロン酸単体での鎮痛効果が思わしくない患者さんに使用を始めております。









 

Q6.  変形性膝関節症と診断された場合、日常どのように気をつけたら良いですか?


(石井)すり減った軟骨が、戻って来るわけではありません。顔に出来た皺が戻らないように。前向きな考え方として、減った分の代償として膝関節周囲筋の強化と膝関節の柔軟性の向上が必要になります。その為の適切な診断と正しいリハビリテーションが必須です。即ち、適度な運動と前述したリスクファクターである肥満対策です。


 








Q7. サポーターが薬局等で売られていますが、した方が良いですか?


(石井)サポーターは保温の効果(腹巻同様)と安定感の向上(関節自身が保有する角度を同定するセンサーに皮膚が参加するようになる)が期待で来ます。あくまでも“安定感”であって、“安定性”ではありません。










 

Q8. 手術が必要な場合を教えてください。またその場合、どのような手術で入院期間はどのくらいです?


(石井)膝関節痛に伴い日常生活が制限される(運動量の減少)場合に限られます。つまり、痛みのために行きたい旅行を我慢することが多くなった、好きなゴルフに行けなくなった、などです。内科的な治療(薬物療法やリハビリ加療)で頑張れる間は、その適応はありません。痛みの悪循環(痛い=>動かない=>筋肉量・骨量の減少=>転びやすくなる=>骨折=>寝たきり状態)は避けたいものです。当院では、人工関節手術をメインに行っています。手術時間は約1時間、術翌日から歩行開始となります。入院期間は患者さんの回復次第で、14週間です。術後は除痛の好循環(痛みからの解放=>動き易くなる=>筋量・骨量の増加=>転び難くなる=>骨折予防=>健康寿命の延伸)が期待できます。これまでも当院での手術を行った患者さんの協力を得て、術後の骨密度の増加や血管年齢の改善を明らかにして来ました。

 









Q9. 両膝が痛いです。一度に両方手術できますか?


(石井)両側同時手術は、可能です。但し、当院では、疼痛の強い方を先に片側ずつ行います。自覚的に満足して頂き、納得した上で反対側を行います。これまでも両側実施した200名近い患者さんを解析すると1年以内の方が半数、2年以降の方が半分です。手術間隔の最長の方は13年開けた方も居ました。リハビリ科との研究からも上手く手術側に荷重移動が出来ると反対側の負担が減り、疼痛の緩和から時間稼ぎが出来ることも証明しています。











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