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(佐藤)CM関節とは母指の付け根の下の方にある関節の名前です。ここの関節の軟骨が長年かけて摩耗、消失してきて耐久性が悪くなり痛みを生じるようになります。主に痛みを誘発するのはふたを開ける、洗濯バサミや爪切りなどのような強いつまみを必要とする動作です。 親指をグルグル回してみると他の指と違って動く範囲が広いことがお分かりになると思います。CM関節はもともと親指がいろんな方向に動けるように関節が浅くつくられています。ということは脱臼しやすいのではと思うかもしれませんが周囲に強靭な靭帯が張っているため普通簡単に脱臼することはありません。この靭帯機能が徐々に劣化して関節がグラグラ動くようになり軟骨が減ってくるのでは?と考えられています。病態がすすんだ患者さんでは関節が亜脱臼しさらに骨が出てくるようになります。 原則として軟骨が再生することはありませんので、それでは一生治らないのか?というとそんなことはありません。レントゲンではCM関節症でもなんの症状もない方も沢山おられます。しかし一度痛みが生じると炎症がおさまって痛みがなくなってくるのには時間がかかります。ふだん手を沢山使わざるを得ない場合は炎症がなかなかおさまらないため、基本的に”付き合っていく病気”ということになります。 治療法は大きく保存療法と手術療法に別けられます。保存療法は以下のようなものがあります。@シップ、塗り薬 一時的な痛み止めとして簡単に使えます。A局所ステロイド注射 よほど痛みが強いときは短期的な鎮痛目的で使用されます。 |
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B装具療法(上の写真)亜脱臼した骨を押さえて関節のぐらつきを抑制します。長時間装着しないと意味がないため患者さんを選ぶ治療法といえますが、日常的に装着できるようなら試してよい治療法と思います。 手術療法は大きく@関節固定術A動きを残す手術に別れます。手術を希望される患者さんは多くありませんが、やはり趣味や仕事で器具、工具を多く使う方がお困りになって相談される事が多いようです |
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今までAの手術をする場合は関節が安定するように周囲の腱や靱帯を犠牲にする必要があったのですが、最近新しい手術が開発されました。母指と人差し指の間を強い糸で橋渡しすることで関節を安定化する事が可能になりました。つらい痛みが続いていて何とか痛みから解放されたいという方はご相談ください。 |